DEXで横行しているフロントランニング

中央集権型取引所(CEX)に比べてセキュリティ面で優位であると言われている非中央集権取引所(DEX)においてbotを使った超高速・超高頻度(HFT、High Frequency Trade)でフロントランニング(Front Running)のような取引が横行しているとの論文が発表されたというニュースが先日ありました。

フロントランニングとは、取引業者が顧客の注文情報を使って、その顧客の注文情報よりも前に自身にとって有利な注文をして利益を得ることをいい、株式などの市場においては明確に違反とされているような方法です。

DEXにおけるフロントランニングは、通常の投資家がDEXで注文を出すのをいち早く察知し、botを使ってマイクロ秒単位の取引で、投資家の注文に先回りして取引を成立させ、裁定取引で利益を出しているそうです。
高速過ぎるので投資家もそのような注文で先回りされていることも気づかないそうです。

このようなbotはEtherdeltaやBancorなどのメジャーなDEXにおいて、1日2000万円以上の利益をあげているそうで、それだけ我々のような一般的な投資家が機会損失を被っていることになります。
CEXでも同様なことが起こり得ているとのことで、行き過ぎた規制はよくないですが、株式市場と同様の投資家保護を目的とした規制はある程度必要なのかもしれないですね。

株式市場で規制されているとはいえ、フロントランニングは株でも行われており、投資家保護・弱者を守る公正な市場を目指して日系人のブラッド・カツヤマ氏が2012年にIEXという取引所を立ち上げて話題になった方がいました。
HFTを駆使したフロントランニングなどの不正操作とそれに立ち向かうカツヤマ氏を題材とした金融小説「フラッシュ・ボーイズ」という書籍がありますので、このような話に興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか?
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仮想通貨市場も健全に発展していってほしいものですね。

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